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開発ストーリー(2) 感震器

1人の技術者に託された、国内トップシェア製品の未来。

当社を代表する製品の一つが、ガスメーターに搭載される感震器。震度5強以上の地震の揺れに作動して、ガスを即座に遮断し、火災を防ぐものだ。地震国日本でシェア80%を誇るこの製品を、さらに進化させる ―― そんな開発が、1人の技術者に委ねられた。

戸田 孝史

  • CSセンター
  • デバイス事業 イノベーショングループ
  • 1995年入社
  • 工学研究科 工業化学専攻 修了

規定以下の地震での作動をなくすには。

当社の主力製品の一つである感震器は、40年近い歴史を持つ製品だ。しかしその中身は、お客様であるガス会社の要求に応え、絶えず進化している。その最新モデルがUG18E。担当したのは戸田。「あるガス会社から、震度4では作動せず震度5強以上で作動する感震器の開発依頼が寄せられたのがきっかけです」安全性を重視する生方製作所では、「地震時に確実に作動する」ことを最重視した製品開発を行うことで市場から高評価を得ていた。一方で、被害が出ないような小さい地震でも作動し、ガスが停止してしまうことが稀にあった。そういったケースでは、メーターの復帰スイッチを操作すればいいのだが、ユーザーはそれを知らず、ガス会社を呼び出す。ムダな出動を減らし、人件費を抑えたいというのが、ガス会社のニーズだった。

トップシェアを託された重圧。

戸田に与えられた期間は約1年。2回の製品テストをお客様の前で実施し、その結果によって採用が決まる。「要求に応えられなければ、現在のトップシェアから転落する。どうやってこの仕事から逃げようかなと考えていました(笑)」感震器の原理はシンプルだ。振動が加わると、球が動き、電極に触れる。加わった力の大きさによって、球が空間内を往復する時間、つまり電極に触れて離れまた触れる繰り返しの時間(=ONとOFFの周期)が変わる。それをマイコンで感知し、地震か否かを判断している。このようなシンプルな構造で、トラックの通過などの生活振動では作動せず地震のみに確実に作動する性能であるため、当社の感震器は国内トップシェアを実現しているのだが、ガス会社からの開発要求はさらに難易度の高いものだった。ガス会社からは、震度4〜6の実際の地震波形が合計10数パターン与えられ、震度5強以上では100%作動し、それ以下の地震では作動しないことが求められた。波形ごとに球が思いどおりの挙動を示すには、内部構造をどうするか?戸田は以前からあたためていたアイデアを盛り込み、試作品を完成させた。そして迎えた1回目のテスト。結果はまったく意に反していた。「動いてほしくない振動で動き、動いてほしいところで動かなかった」それでも収穫はあった。テストの結果、生方製作所の製品の課題だった「動いてほしくないのに動く」ケースが、従来に比べ半減したのだ。課題は山積みだが、解決への大きな足がかりを得た。

考えられる限りを地道に試す。

異なる振動に対して、確実に球と電極の接触時間が変化し、周期の違いを検出できるようにするためにはどうすればいいのか? 最終テストまで、時間は迫る。戸田は1回目のテストでの収穫を活かしながら、性能に関わる因子をすべて変えて試すことにした。その因子とは、球が格納された容器底部の角度、球の大きさ、そして電極の曲げ角度。中でも非常に薄い金属でできている電極は、球が衝突するとたわむため、わずかな曲げ角度の差によって、球との接触時間が変わる。これが最大の悩みの種だった。「250パターンほどの試作品を作成して、自作の試験機でテストを繰り返しました」そしてついに、満足のいく試作品が完成。最終テスト目前だった。

要求をクリアし、さらにシェアアップ。

最終テストを終えた戸田がお客様からかけられたのは、「非常に無理難題な要望に、ここまでの成果を出してくれると思わなかった。感謝します」との言葉だった。その後、UG18Eは晴れてお客様に採用いただき、それまで取引のなかった別のガス会社にも採用された。その甲斐もあり、国内で80%のシェアを誇っていた生方製作所の感震器は、シェアを90%まで伸ばす結果となった。「こんな製品を担当できるチャンスが自分に回ってくる。しかも開発から量産まで一貫して携われるなんて、他では経験できなかったと思います」国内の社員数200名という大きすぎない規模でありながら、トップシェア製品を持つ。そんなこの会社だからこそのやりがいを、彼は噛みしめている。

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