INNOVATION CASE
イノベーションの事例
検査工程の劇的改善
イノベーションの事例03

検査工程の劇的改善

発生原因を突き止め、
再現試験を繰り返すことで
良品を造りこむための要件を整備し、
外観検査工程をなくすことに成功。

発生原因を突き止め、
再現試験を繰り返すことで
良品を造りこむための要件を整備し、
外観検査工程をなくすことに成功。

出荷前に不良を発見する検査工程。これがあるため不良が工場の外に出ることが防がれているわけだが、逆に言えば、これがあることで「一個くらい不良になってもいいだろう」という甘えが出るのではないか。そうした考えから印字工程から外観検査をなくすプロジェクトに挑んだ。

亀井 英和
亀井 英和 HIDEKAZU KAMEI
バリューセンター 製品実現グループ
クオリティコントロール
グループマネージャー2000年入社/工学部電気電子工学科卒
簗瀬 みなみ
簗瀬 みなみ MINAMI YANASE
バリューセンター 製品実現グループ
クオリティコントロール
2015年入社/交流文化学部交流文化学科卒

外観検査をなくす難題に挑む

検査は生産工程で欠かせない工程である。もし不良が発生すれば、そのまま出荷されてしまうわけだからブランド自体に傷がついてしまう。その検査をなくしてしまおうと考えたのが生方製作所だった。UG7という転倒スイッチはUBUKATAというブランド名が刻印されて出荷されるが、その刻印をチェックする外観検査をなくそうというのだ。まず取り組んだのが発生原因を突き止めることだった。「欠け」「印字なし」「二重印字」といった不良がどのように発生するのか。それを特定することから始めた。やり方はこうだ。印字工程を観察し、「こうなったから不良になったのではないか」という仮説を立て、ラインの動いていない空き時間を利用して再現してみる。仮説通り再現できれば、原因が特定できるし、もし再現できなければ新たな仮説を立てて、再び試験を行うことになる。その繰り返しで原因を特定していったのだ。そうして得られた結論が、印字装置の調整がきちんとできていれば印字不良は発生しないということであり、企画会議でその旨の発表をした。ところが社長から返ってきたのは、「じゃ、どのように調整すればいいのか、あなたが決め、マニュアルにしてよ」との指示だった。

外観検査をなくす難題に挑む

依然として不良ゼロという成果

あらためて再現試験を繰り返した。8か所ある製品の位置決めブロックを調整しながら印字装置を動かし、印字の質を左右することがわかっていた製品の傾きをチェックする。印字用の刻印と製品との間の距離が一定になるように調整する。それを何度も繰り返した。およそ3か月。そうして、どのブロックをどのように調整すれば不良が発生しないかを明らかにしていった。現場で試してみたところ良好な結果が得られたことから現場の人に渡す作業手順書の作成に着手し、完成することができた。文系出身でものづくりのことは何も知らなかったけど、現場の人、周囲の人の支援があったおかげで外観検査をなくすことができたのだった。以来、一度も印字不良が発生したという報告は受けていない。さらにこの成果が認められて年に1回授与される社長賞が受賞できた。金一封の賞金は10万円だったので、このプロジェクトでお世話になった方をご招待して一席を設け、みんなに楽しんでもらった。周囲の協力があったおかげで成し遂げられた成果だから全然惜しくない。なにより不良がなくなったといって現場の人が喜んでくれたのが、最高にうれしかった。

依然として不良ゼロという成果